SNSスクールの解約・返金は?特定商取引法とクーリング・オフの考え方
結論
ネットで自分から申し込んだスクールは「通信販売」に当たることが多く、通信販売には法律上のクーリング・オフがありません。返金は各スクールの規定(特商法表記・契約書面)次第です。
ただし、電話で勧誘された場合(電話勧誘販売・8日)、「仕事を紹介するから収入が得られる」と誘われた場合(業務提供誘引販売取引・20日)、パソコン教室に当たる場合(特定継続的役務・8日と中途解約の上限)などは、別のルールが使える可能性があります。
どれに当たるかは個別の判断です。当サイトは断定しません。迷ったら契約書面を持って消費者ホットライン188へ。
まず、自分の契約はどの取引に当たる?
特定商取引法は、取引の形ごとにルールを決めています。消費者庁の特定商取引法ガイドによると、クーリング・オフの期間は次のとおりです。
| 取引の形 | どんなとき | クーリング・オフ |
|---|---|---|
| 通信販売 | 広告を見て、ネット・郵便などで自分から申し込んだ | なし |
| 電話勧誘販売 | 事業者から電話で勧誘され、その電話や後の郵便・ネットで申し込んだ | 8日 |
| 特定継続的役務提供 | エステ・美容医療・語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介の7種類で、期間・金額の要件を満たす | 8日 |
| 業務提供誘引販売取引 | 「仕事を提供するので収入が得られる」と誘われ、そのために費用を払った | 20日 |
| 訪問販売 | 自宅などへの訪問、キャッチセールス、アポイントメントセールス | 8日 |
期間はいずれも、法律で定められた書面を受け取った日から数えます。SNSスクールの多くはネットから申し込むので、まず通信販売に当たるかを考え、そのうえで勧誘のされ方や契約の中身から別の取引に当たらないかを見る、という順番になります。
通信販売だとどうなる?
通信販売にはクーリング・オフ制度がありません。法第15条の3は、広告に返品特約がない場合、商品の引渡しから8日以内なら申込みの撤回などができると定めていますが、条文の対象は「商品又は特定権利」で、サービス(役務)は書かれていません。オンライン講座がこれに当たるかは、条文の文言からは読み取れません。
つまり、ネットで申し込んだスクールの返金は、各スクールが特商法表記や契約書面に書いた規定で決まると考えておくのが安全です。当サイトで確認した規定は次のとおりです。
| スクール | 「返金保証」の記載 | 返金・キャンセル・解約の条件(公式の記載) |
|---|---|---|
| スキルスキップ | — | 受講開始前は支払額から振込手数料を差し引いて返金。受講開始後は支払額から提供済みの役務の料金・教材費・振込手数料・入会金を差し引いて返金(特商法表記)。クーリング・オフ・中途解約の項目は特商法表記に記載なし |
| SONOMAMA | — | クーリング・オフ:契約約款受領日から8日以内は書面または電磁的記録で無条件に解除でき、支払済み金額は全額返金。中途解約:クーリング・オフ期間経過後も契約期間内は可能だが、やむを得ない事情がある場合に限り、当社規定の計算式による違約金を差し引いて返金。返品・返金は原則応じない(特商法表記) |
| WEBCOACH | あり | 特商法表示:サービスの性質上、全額返金保証期間内を除き支払済みの料金は返金しない旨。「2026年2月27日以降に初回カウンセリングを実施し、お申込みいただいた方のみクーリング・オフの対象となります。」全額返金保証期間の長さ・条件は公式で確認できず |
| インターネット・アカデミー | — | 講座ページ・FAQに返金・解約の記載なし。特定商取引法に基づく表記へのリンクも公式サイトで見つからず(契約書面で要確認) |
| ワナビーアカデミー | — | 公式で未確認 |
| マーケニスタ | — | 月額プランはいつでも退会可。年間・半年プランは「契約期間終了日の3〜5日前までに退会申請をしてください。」「※日割りでのご返金はいたしかねます。」(公式)。運営会社の特商法表記は「返品・返金はお受けできかねます」(瑕疵がある場合を除く) |
| Chapter Two(チャプターツー) | — | 料金ページに返金・キャンセルの記載なし。特定商取引法に基づく表記へのリンクも見つからず(契約書面で要確認) |
| デジハク | あり | 特別返金保証(動画編集6・12ヶ月コース):受講開始日を含む30日以内に、①初級編「YouTube編集講座」4編の全課題を提出し添削申請②担当講師と説明会担当者との三者面談で返金希望を伝え当日中に解約申請フォームを記入③理由がサービス内容・品質に関するもの(多忙・体調不良・家族都合など個人的理由は対象外)の3つをすべて満たす場合、「受講料の全額返金」(振込手数料または決済手数料を差し引く)。電話・メール等での手続きは不可。キャンセルは受講開始日の前日12:00まで・ログイン前なら手数料を差し引いて返金、一度ログインすると返金不可。「本サービスはクーリング・オフ適用対象外です。」(特商法表記) |
| WEBプロ by studio US | — | 「一度ご購入いただいた後のキャンセル・返金には対応しておりません」、クーリング・オフは適用対象外(studio US の特定商取引法に関する表示PDF)。WEBプロのLPに返金保証の記載なし |
| デイトラ | — | 「商品の性質上、お客様のご都合による返品・交換・キャンセルはお受けできません。代金決済後は、途中退会の場合を含め、理由の如何を問わず返金は行いません。」(法令に基づき返金等が必要な場合を除く。特商法表記) |
| Withマーケ | — | 「サービス提供開始後のお客様都合によるキャンセルは、原則お受けいたしません。」受講料の日割り精算を含め支払済み代金は返金しない。月額コース(4コースの契約者向け)はいつでも退会可(当月退会は課金日の3営業日前までに申請・月途中でも返金なし・解約金なし)。クーリング・オフの記載なし(特商法表記) |
| ウェブスキ | — | 公式トップで確認できず。特商法表記の所在も未確認 |
2026-11-03に公式ページ・特商法表記で確認した内容の要約。契約時は契約書面の条件が優先します。
「決済後は理由の如何を問わず返金しない」(デイトラ)、「購入後のキャンセル・返金には対応しない」(studio US)と書くところもあれば、受講開始後も差し引いて返金するところ(スキルスキップ)、特商法表記にクーリング・オフの記載があるところ(SONOMAMA、WEBCOACHの一部の申込者)もあります。
電話で勧誘されたら?
消費者庁の説明では、事業者が電話をかけて勧誘し、その電話の中や、電話をいったん切った後に郵便・電話等で申し込んだ場合も、電話勧誘によって購入の意思が決まったのであれば電話勧誘販売に当たります。勧誘目的を告げずに消費者に電話をかけさせた場合なども含まれます。
電話勧誘販売なら、法定書面の受領日から8日以内はクーリング・オフができ、事業者が事実と違うことを言ってクーリング・オフを妨げた場合は8日を過ぎても可能です。
Web会議(Zoomなど)での勧誘が電話勧誘販売などに当たるかは、当サイトでは消費者庁の解釈を確認できていません。国民生活センターは、無料カウンセリングのつもりでWeb会議に参加したら高額な契約を勧められた事例を注意喚起しています。オンライン面談で勧誘されて契約した場合は、契約書面を持って消費生活センターに相談してください。
「パソコン教室」に当たる場合は?
特定継続的役務の7種類のうち、パソコン教室は「電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授」で、期間2か月超・金額5万円超(入学金・教材費などを含む総額)が対象です。消費者庁は、役務がインターネット等で提供される場合も対象に含まれるとしています。
当たる場合は、法定書面の受領から8日のクーリング・オフに加えて、中途解約ができ、事業者が請求できる額に上限があります。パソコン教室の上限は、提供開始前は15,000円、提供開始後は「提供済みの役務の対価」+「5万円か契約残額の20%のいずれか低い額」です。
SNS運用やWebマーケの講座がパソコン教室に当たるかは、講座の中身(パソコン操作の教授が中心か)によるため、当サイトは当たる・当たらないを断定しません。高額な契約を途中でやめたい場合は、この規定が使えないか消費生活センターに確認する価値があります。
「仕事を紹介する」と言われて払った場合は?
「仕事を提供するので収入が得られる」と誘い、その仕事に必要だとして商品や講座などの費用(特定負担)を払わせる取引は、業務提供誘引販売取引です。消費者庁の例には、研修を受けて身につけた技能を使う在宅の入力業務、販売されたパソコンとソフトを使う在宅のホームページ作成などがあります。
当たる場合は、法定書面の受領から20日のクーリング・オフ、広告の表示義務、誇大広告の禁止、契約前の概要書面の交付などのルールがあります。「案件紹介つき」のスクールがこれに当たるかは、紹介の約束の仕方や費用との関係で変わるため個別の判断です。詳しくは案件紹介・業務委託とフリーランス法へ。
解約したいときの手順は?
- 契約書面・特商法表記・申込画面のスクリーンショットを集める
- 取引の形を考える(自分から申し込んだか、電話・面談で勧誘されたか、仕事の紹介を約束されたか)
- 期限を確認する(クーリング・オフの日数は書面の受領日から。返金保証は受講開始日からが多い)
- 書面または電磁的記録で通知する(消費者庁は、書面は特定記録郵便や内容証明郵便、電磁的記録は送信履歴やスクリーンショットの保存を勧めています)
- 迷ったら消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターを案内してくれます)
分割・ローンで払っている場合は、信販会社への連絡も必要になることがあります(分割払い・ローンの注意)。
「返金保証あり」と「クーリング・オフ」は何が違う?
この2つは混同されやすいですが、根拠が違います。
- クーリング・オフ:特定商取引法などの法律で決められた制度。対象の取引なら、期間内は理由を問わず解除でき、事業者は損害賠償や違約金を請求できません。
- 返金保証:スクールが独自に定めるルール。日数・条件・申請方法はスクールごとに違い、条件を満たさなければ返金されません。
たとえばデジハクの特別返金保証は、30日以内・課題の全提出・三者面談・品質に関する理由という条件付きです。WEBCOACHは「全額返金保証期間」があると特商法表示に書いていますが、期間・条件は当サイトで確認できませんでした。「返金保証があるから安心」ではなく、条件を満たせる現実的な見込みがあるかで判断してください。
よくある質問
- SNSスクールはクーリング・オフできる?
- 契約の形によります。自分でネットから申し込んだ場合は通信販売に当たることが多く、通信販売には法律上のクーリング・オフはありません。電話で勧誘されて契約した場合(電話勧誘販売)は法定書面の受領から8日、仕事の提供を口実に誘われて費用を払った場合(業務提供誘引販売取引)は20日のクーリング・オフがあります。どれに当たるかは個別の判断です。
- 通信販売の「8日以内の返品」はスクールにも使える?
- 特定商取引法第15条の3の対象は「商品又は特定権利」と書かれており、役務(サービス)は条文に含まれていません。オンライン講座のようなサービスに当てはまるかは、条文の文言からは読み取れません。返金は各スクールの規定と契約書面によります。
- Webマーケのスクールは特定継続的役務の「パソコン教室」に当たる?
- 特定継続的役務のパソコン教室は「電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授」で、期間2か月超・金額5万円超が対象です。インターネットで提供される場合も対象に含まれます。SNS運用やWebマーケの講座がこれに当たるかは内容次第で、当サイトは断定しません。消費生活センターに相談してください。
- スクール側が「クーリング・オフ対象外」と書いていたら?
- 特商法表記にそう書かれていても、法律上のクーリング・オフが使える取引に当たる場合は、法律が優先すると考えられます。逆に、スクールが特商法表記や契約書面にクーリング・オフや返金保証を書いている場合(例:SONOMAMAの8日、デジハクの特別返金保証)は、その記載に従って申し出られます。
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出典・確認した情報
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定商取引法とは」(2026-11-03確認)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」(2026-11-03確認)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「電話勧誘販売」(2026-11-03確認)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(2026-11-03確認)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「業務提供誘引販売取引」(2026-11-03確認)
- e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律(第15条の3)(2026-11-03確認)