会社員がSNS運用代行の副業をするには?(就業規則・確定申告・住民税)
結論
まず勤務先の就業規則を確認してください。厚労省のモデル就業規則は2018年に「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削り、副業・兼業の規定(第68条)を設けていますが、実際のルールは会社ごとです。
給与を1か所から受けている人は、給与以外の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。
住民税は、会社員は原則給与天引き(特別徴収)、自営業などは自分で納める普通徴収です。副業分の扱いはお住まいの市区町村で確認してください。
まず就業規則で何を確認する?
SNS運用代行の副業を始める前に、スクールより先に確認したいのが勤務先の就業規則です。
厚生労働省は、副業・兼業について「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し(2018年1月)、2020年9月、2022年7月に改定しています。同じく厚労省のモデル就業規則は、2018年1月の改定で、労働者の遵守事項にあった「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削り、副業・兼業についての規定(第14章第68条)を新設しました。
ただし、モデル就業規則はあくまで「ひな形」です。実際にどんなルールになっているかは会社ごとに違います。次の点を確認しましょう。
- 副業は禁止か、届出制か、許可制か
- 競合する業務(同業他社のSNS運用など)の扱い
- 会社の情報・アカウント・取引先を副業で使わないこと
- 勤務時間中・会社のパソコンでの作業の扱い
SNS運用代行は、取引先のブランドや情報に触れる仕事です。本業の取引先や競合からの依頼を受ける場合は、特に慎重に確認してください。
確定申告が必要になるのは?
国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」によると、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象になる場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要です。給与を2か所以上から受けている場合は別の基準があります。
ここでいう「所得」は、収入から必要経費を引いた額です。SNS運用代行の報酬が年30万円でも、必要経費が10万円なら所得は20万円です。必要経費に何が入るかは支出の内容と副業との関係によるため、当サイトでは判断しません。領収書・利用明細は必ず保管してください。
| ケース | 所得税の確定申告(給与1か所の会社員) |
|---|---|
| 副業の所得が年20万円以下 | 原則不要(ただし還付を受ける場合などは別) |
| 副業の所得が年20万円超 | 必要 |
住民税はどうなる?
総務省の説明では、個人住民税は前年の所得をもとに計算され、所得割(標準的には所得の10%)と均等割があります。納め方は2つです。
- 特別徴収:会社が給与から天引きして市町村に納める方法。会社員は原則これ
- 普通徴収:市町村から届く納税通知書で、自分で納める方法。自営業の人などが対象の例
副業の所得分の住民税をどちらで納めるか、所得税の確定申告が不要な場合に住民税の申告が必要かは、お住まいの市区町村の案内で確認してください。総務省のページでは、給与以外の所得の徴収方法の選択についての記載は確認できませんでした。
スクール代を払う前に考えることは?
- 副業が就業規則で認められているか
- 月の作業時間を確保できるか(本業の残業・繁忙期を含めて)
- 収入がゼロでも払える総額か(分割払いの注意)
- 収入が出たら、確定申告・住民税・開業届・インボイスをどうするか(インボイスと開業届)
副業の収入は保証されません。「受講料はすぐ回収できる」と言われても、回収できる前提で計画しないことが大切です(広告の読み方)。
会社に知られたくない場合は?
「副業を会社に知られたくない」という相談はよくありますが、まず就業規則で届出が必要な場合は、届け出るのが前提です。届出が必要なのに無断で行うと、規則違反として扱われるおそれがあります。
住民税は前年の所得をもとに計算されるため、副業の所得があると住民税の額が変わります。特別徴収(給与天引き)の場合、その額は会社に通知されます。副業分をどう納めるかは市区町村の案内で確認が必要です。当サイトは「こうすれば知られない」という方法は案内しません。ルールの範囲で、必要な届出と申告をするのが結局いちばん安全です。
副業の時間はどれくらい確保できる?
厚生労働省のガイドラインは、副業・兼業の場合の労働時間管理や健康管理についての考え方もまとめています(詳細はガイドライン本文を確認してください)。業務委託の副業は労働時間の通算の対象外となるのが一般的ですが、働きすぎで本業に支障が出れば、就業規則上の問題になることもあります。
SNS運用代行は、投稿のタイミングやコメント対応で、平日の夜や休日に作業が入りやすい仕事です。スクールに申し込む前に、
- 平日に使える時間:1日何時間か
- 休日に使える時間:何時間か
- 本業の繁忙期:いつか
を書き出し、受講と案件の両方に使える時間があるかを確かめてください。
副業を始める前のチェックリスト
- 就業規則:副業の可否、届出・許可の要否を確認した
- 競業・情報:本業の取引先・競合・社内情報を副業で扱わない
- 時間:平日・休日に使える時間を書き出した
- お金:スクール代は収入ゼロでも払える額にした
- 記録:売上・経費を記録する方法を決めた
- 税:確定申告(所得20万円の基準)と住民税の扱いを確認する予定を立てた
まとめ:スクールより先に確認すること
副業を目的にスクールを検討しているなら、就業規則・時間・税の3つを先に確認しておくと、受講後に「副業ができなかった」「申告を忘れていた」という事態を防げます。準備ができたら、料金診断で目的「副業」を選び、総額と条件を比べてください。
よくある質問
- 会社員でもSNS運用代行の副業をしていい?
- 勤務先の就業規則によります。厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2018年1月作成、2020年9月・2022年7月改定)を出し、モデル就業規則でも2018年1月に許可制の規定を削って副業・兼業の規定(第14章第68条)を新設しました。ただし実際の就業規則は会社ごとなので、届出や許可が必要かを確認してください。
- 副業の収入がいくらから確定申告が必要?
- 国税庁の説明では、給与を1か所から受けていて全部が源泉徴収の対象の場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要です。「所得」は収入から必要経費を引いた額です。
- 20万円以下なら何もしなくていい?
- 所得税の確定申告が不要になる場合があっても、住民税の申告は別です。国税庁の確定申告の説明ページには住民税の記載がないため、副業分の住民税の申告や納め方は、お住まいの市区町村に確認してください。
- スクール代は副業の経費になる?
- 副業の所得を計算するときの必要経費になるかは、その支出と副業の収入との関係によります。当サイトでは判断しません。領収書を保管し、税務署や税理士に確認してください。
- 就業規則に副業の規定がない場合は?
- 規定がない場合の扱いは会社によって考え方が違います。トラブルを避けるには、人事や上司に確認するのが確実です。厚生労働省のモデル就業規則では、副業・兼業を行う場合の事前の届出などを定める例が示されています。
- 公務員でもSNS運用代行の副業はできる?
- 公務員には法律で兼業の制限があり、会社員とは扱いが違います。当サイトでは扱っていないので、所属の人事担当に確認してください。
- 副業の収入が赤字なら申告は不要?
- 副業の所得(収入−必要経費)がマイナスの場合の扱いや、ほかの所得との関係は、所得の種類によって変わります。当サイトでは判断しないので、税務署に確認してください。記録を残しておくことが前提です。
あわせて読みたい
出典・確認した情報
- 厚生労働省「副業・兼業」(2026-11-03確認)
- 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(2026-11-03確認)
- 総務省「個人住民税」(2026-11-03確認)